日本では、国産車に比べて、輸入車の新車販売が好調であり、毎年販売台数を伸ばしています。
その一方で、中古車の買取価格は非常に低くなっているという現状があります。
では、車買取査定で輸入車を高く売るためにはどうすればいいのかについて、詳しくご説明していきます。
目 次
輸入車の市場の特性を理解する
日本国内の登録車に占める輸入車のシェアは、10%に達する勢いで過去最高を毎年更新しており、販売台数は約30万台になります。
まずは、輸入車の市場の特性を理解することが車買取査定で輸入車を高く売る第一ステップになります。
なぜ輸入車シェアが伸びているのか
通常、輸入車には高い関税が掛けられる一方で、日本は輸入車に関税をかけていません。
あくまで諸外国との比較ですが、日本ではかなり安く輸入車を買うことができるのです。
ブロンド別の販売状況
輸入車のブランド別の販売台数では、メルセデス・ベンツが1位、BMWが2位、フォルクスワーゲンが3位、アウディが4位、BMWミニが5位となり、ドイツ勢が1位から5位までを独占しています。
しかも、これらの5ブランドで全体の6割以上の販売台数を占めています。
輸入車の値段が落ちやすい理由
輸入車の値段が落ちやすい理由は、国による基本的な部品交換の思想の違いにあります。
では、これらの違いについて詳しくご説明していきます。
日本車の部品の耐久性
日本車は、部品の耐久性を引き上げることで、10年10万km程度までは大きな部品交換の必要がないように設計されています。
正確に言うと、各部品ともに摩耗や劣化が進んでいくのですが、ドライバーが気付かないように、あえてセンサーを付けていなかったりしています。
輸入車部品の耐久性
一方の輸入車は、5万kmや7万kmの時点でかなり多くの部品を交換する必要が出てきます。
しかも、そういった部品交換を行わないと警告灯が点灯する仕組みになっており、最悪の場合、走行ができないような制御までかかってしまします。
このような理由から、比較的短期間で輸入車を売却してしまうユーザーも多いのです。
ラテンマニュアル車の人気が衰えない理由
フランスとイタリアのいわゆるラテンマニュアル車は、一定以上まで値下がりした後は、年数や距離数が増えていっても底値にはなりません。
その理由は両国のオートマ事情にあります。
フランスもイタリアもオートマ車を作るのが苦手な国で、自社グループで開発したMTベースのセミオートマのような機構が標準的でした。
こうしたMTベースのセミオートマは、わずか数年程度で走行不能になるような欠陥を抱えた車ばかりです。
こうしたことを背景として、ラテンは古典的なマニュアル車の人気が今でも高いのです。
フランスの10年落ちのマニュアル車
フランスの10年落ち前後のマニュアル車は、全く相場が落ちません。
その代表格がルノーのカングーです。
商用車ベースの設計ながら、ポップなデザインと広い荷室が魅力的なおしゃれな輸入車です。
日本でも、ファミリー層やアウトドア好きの層に絶大な人気のある車です。
特に、日本の商用車ベースの車は、どれも見た目が簡素で、デザイン性がありません。
その点で、カラーリング1つとっても一目で輸入車と分かるそのスタイリングが人気の秘密なのです。
イタリアのスポーティグレードマニュアル車
アルファロメオに代表されるイタリアのスポーティグレードは、特にマニュアル車の人気が高くなります。
通常モデルが軒並み底値相場に突入するなかで、3,200ccのV6エンジンを搭載したGTやGTAを冠するモデルは、いくら年数がたっても値段が落ちません。
それどころか、生産終了後しばらくしてアルファロメオV6の価値が再評価されることで、いったん下がった相場が値上がりの傾向さえ見せています。
アルファロメオはそこまで頻繁にモデルチェンジをしないため、比較的値崩れがしにくく、長期で保有できるのもメリットになります。
輸入車は専門業者での買取がおすすめ
国産の新車ディーラーに輸入車の下取りを頼むということは、最もミスマッチな相手に売却をお願いすることになります。
これではお互いに何もメリットが生まれません。
国産の新車ディーラーには売ってはいけない
そもそも国産の新車ディーラーは、その車の下取りをしても、自社の中古車部門で売ることはできません。
業者オークションに出すことで現金化するのが一般的になりますが、輸入車の業者オークション相場は値動きが激しく、専門業者でないと適正価格を見極めるのは困難です。
こういったことから、国産の新車ディーラーでの下取りでは、高価査定が期待できないのです。
まとめ
輸入車は全登録車の1割程度のシェアに拡大したとはいえ、まだまだマイナーなマーケットです。
通常の販売店では、一般ユーザーへの売却は難しく、どうしても買取金額が低くなりがちです。
そこでおすすめなのは、輸入車の専門業者で査定を依頼することです。
たとえその業者が直接販売できなくても、業者同士のネットワークで、そのブランドに強い業者に売るということが可能になってきます。
意外と車業界は狭く、そうした独自のルートやネットワークをもった業者を入れて、書類を事前に準備したうえで、複数社で見積もりを依頼することが重要です。